2025年も四旬節(レント)が近づいてまいりました。
キリスト教会ではこの期間中、日常生活において節制を意識したり、信仰を深めるための特別な活動が行われますが、日本ではその文化的背景が十分に広がっているとは言えません。
そのため、四旬節の意義を知ることは、日本でキリスト教をより深く理解する手がかりとなるでしょう。
今回は、四旬節とは何か、食事を断つことやその過ごし方、レントの意味、受難節の祈りなどについて解説します。
2025年灰の水曜日・四旬節第一主日はいつから
- 2025年灰の水曜日3月5日(水)・・・四旬節のはじまり
- 2025年の3月9日(日)・・・四旬節の第一主日礼拝
が、2025年の四旬節のはじまりの季節です。
四旬節・受難節・レントとは
「四旬節(lent)」という語は、ラテン語の直訳に近い表現です言われますが、「受難節」はレントの趣旨である主イエスの受難と復活を反映した訳語です。
四旬節(レント)は、キリスト教の暦において非常に重要な時期であり、復活祭(イースター)前の40日間を指します。
この期間は、一般的には、祈り、断食、悔い改め、献身の時として知られています。
「四旬」という言葉は、十日を意味する「旬」を4つ重ねたもので、ラテン語の「Quadragesima(40日)」に由来します。
受難節・レントの過ごし方
受難節・四旬節中に行われる主な過ごし方には、以下のようなものがあります。
祈り
教会の過ごし方では、日常の祈りに加え、特別な祈りを捧げることで神さまとの関係を深めます。
この期間中は、黙想や御言葉の朗読を通じて、自己を見つめ直す機会を持つことがされることが一般的です。
食事を断つことと節制
四旬節の過ごし方では、食事を控えたり、自分の欲求を節制することでイエスの苦難を思い起こします。
断食だけでなく、贅沢品や嗜好品を控える行為をするケースもあります。
施し
また、過ごし方として、社会的な弱者への援助や寄付などの善行も、四旬節を過ごす場合もあります。
カトリックの場合、四旬節愛の献金などがあるでしょう。
これは、神さまへの愛を実際の行動で示すことの象徴と言えるでしょう。
上記のことは強制ではない
これらの過ごし方はあくまで任意であり、強制されるものではありません。もちろん、教会によっては、共同で行うよう提案される場合もあります。
特に祈りについては、四旬節だけに限らず日々の信仰生活で行われるべきものです。
また、断食や節制を必須としない教会も存在します。なぜなら、これらの行為は聖書の本質的な教えではなく、過度に重視する必要はないと判断される場合があるからです。
ただ、している人に対して「しなくていい」と否定する必要もありませんし、それぞれの信仰の形を尊重することが大切です。四旬節は、一人ひとりの内面的な歩みを支える期間であり、具体的な行動や形よりも、その精神的な意義に焦点を当てることが求められます。
レントの意味と精神的な意義
四旬節の中心的なテーマは、悔い改めと新たなスタートと言えるでしょう。
イエス・キリストが荒野で40日間の断食と試練を耐え忍ばれた出来事に由来し、その体験に倣う形でクリスチャンらは自らを律し、神さまとの関係を深めます。
この期間は単なる「自己犠牲」ではなく、自らの生活を清め、復活祭での喜びを心から迎えるための準備期間と考えられています。
受難節の祈り
受難節は、特にイエスの受難と死に焦点を当てた祈りが行われます。この期間は、苦しみの中でも信仰を保つことの重要性を思い出させます。
例えば以下のような祈りが用いられます。
- 「主よ、あなたが十字架で流された血潮によって、私たちを罪から救い、永遠の命へと導いてくださることを信じます」
- 「受難を通じて示されたあなたの愛に感謝し、私たちの罪を悔い改めます。」
まとめ
2025年においても、四旬節・受難節は、キリスト教徒にとって信仰を深め、生活を清める大切な期間です。
同時に、その精神的な意味は、現代社会における自己成長や他者への愛にも通じる普遍的な価値を持っています。
この時期に、自分自身を見つめ直し、新しい一歩を踏み出す機会として活用してみてはいかがでしょうか。