近年、日本においてキリスト教式の葬儀に招かれる機会が増えています。これは、かつて教会式結婚式がブームとなった世代が、現在シニア世代となっていることが背景にあります。
その方々やそのご家族が、人生の最期においても信仰に基づいた送り方を選択されるケースが増えているのです。
そんな中で、多くの方が不安に感じるのが服装のマナーではないでしょうか。
特に女性の場合、子どもの入園式や卒業式、結婚式や法事など、それぞれの場面で適切な装いが求められることに慣れているため、キリスト教式の葬儀となると、より一層気を遣われることでしょう。
今回は、このようなご不安やご疑問にお答えするため、キリスト教式の葬儀における服装のマナーについて、具体的に解説してまいります。通夜・前夜式・お別れ会など、初めて参列される方にも安心していただける内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
教会式葬儀|キリスト教式と仏式の葬儀は異なる
キリスト教式と仏式の葬儀では、服装マナーに大きな違いがあります。
仏式の場合、黒の喪服が基本とされ、アクセサリーは真珠のみ、白いブラウスは避けるなど、細かな決まりがあります。通夜でも、数珠を持参し、焼香の作法も重要視されます。
一方、キリスト教式の葬儀では、より自由度が高く、必ずしも黒一色でなくても構いません。
通夜・前夜式・お別れ会において、ダークネイビーやダークグレーなどの濃い色のスーツやワンピースも適切とされます。
ただ、特にこだわりがなければ、数珠だけ避けて、あとは仏式と同様で、黒喪服・黒ネクタイで問題ありません。
アクセサリーについても、故人を偲ぶ気持ちを込めて、控えめであれば着用可能です。
白いブラウスも、清楚な印象であれば問題ありません。大切なのは、厳かな雰囲気を保ちながら、故人への敬意を表現することです。
まとめ
今回は、通夜・前夜式・お別れ会などでの教会葬儀、キリスト教葬儀における女性の服装マナーについて詳しく解説してまいりました。
仏式とは異なる部分も多く、戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご紹介したように、キリスト教式の葬儀では、必ずしも細かなルールに縛られる必要はありません。
大切なのは、故人への敬意と、残されたご遺族への思いやりの心です。
服装は、その気持ちを形にする一つの方法に過ぎません。神様の前で故人の魂の安らかな旅立ちを祈り、共に祈りを捧げることこそが、参列の本質といえるでしょう。
どのような装いであれ、心からの祈りと哀悼の意を持って参列することが、最も大切なことです。
この記事が、キリスト教式の葬儀に初めて参列される方の不安を少しでも和らげ、故人を送る大切な時間に集中できる一助となれば幸いです。