ダビデ

解説

エッサイの第8番目の子、旧約時代の統一イスラエル王国の2代目の王(紀元前1010-970年頃)。王族の家系ではありませんでしたが、神様に対する信仰ゆえに、神様から認められ油を注がれサウルの次の王として選ばれました。

16歳頃に主から油を注がれ、数年後にペリシテ人の巨人ゴリアテを倒し、サウル王に迎え入れられました。戦争で大功績をあげますがサウルから妬まれ命を狙われるようになり、10数年間、荒野を逃げ惑いました。サウルの死後30歳のとき、ユダの王となり、37歳のとき、全イスラエルの王となりました。ユダの王となって以来、治世は40年に及び、70歳で亡くなりました。

ダビデは自分の部下の妻を姦淫し部下を殺して彼女を自分の妻にするという大きな罪を犯しましたが、罪を指摘されたらすぐに徹底的に悔い改めることで主から赦されました。生涯を通して主によく従いその信仰の態度は、現代でも語り継がれています。英語圏では”David”という名前が男性に多くつけられており、ダビデに由来しています。

コラム

ダビデとゴリアト
少年ダビデが巨人ゴリアトを撃退するよく知られている話があります。

谷を挟んで、イスラエル軍とペリシテ軍が戦闘態勢を備えていましたが、ペリシテ軍から一人の戦士が進み出てイスラエル軍を威嚇してきました。彼はガト人ゴリアトで、身長が2m93㎝、着けている鎧の重さが57Kg、持っている槍の穂先が、6.8Kgでした。また彼には、部下が一人いて、その部下は楯を持ちゴリアトを守る兵士でした。彼は、一騎打ちをして負けたほうの民族が買ったほうの民族の奴隷になるという条件で挑戦を仕掛けてきました。彼を見たイスラエル軍は恐れおののきました。サウル王は、ゴリアトを討ち取る者があれば、大金と王女を与え、更にその父の家にはイスラエルにおいて特典を与えるという約束をしていました。

兄たちの安否確認のために父エッサイから命じられて戦場に来た少年ダビデはゴリアトが叫ぶのを聞きました。彼は、ゴリアテが神の軍隊であるイスラエル軍を侮辱するのを聞いて怒りを覚え、自分がゴリアトと戦うといってサウル王に願い出ました。サウル王は、まだ少年にすぎない羊飼いのダビデが、少年のときから戦士である巨人ゴリアテに勝つことは不可能と考えダビデを止めようとしましたが、ダビデは主が必ず守って下さると自身を持って答えましたので、サウルはダビデに自分の武具を持たせて送り出しました。ダビデはサウルの武具が大きすぎて体に合わず使い慣れていなかったため、それらの武具を脱ぎ捨て、自分の杖を手に取り、川岸から滑らかな石を五つ選び、身に着けていた羊飼いの投石袋に入れ、石投げ紐を手にして、ゴリアトに向かいました。

巨人ゴリアトは少年ダビデを見ると、ダビデが血色の良い姿の美しい少年だったので侮りました。ゴリアトは自分の神々によってダビデを呪いダビデを威嚇しましたが、ダビデは、この戦いは主のものであり主が必ず自分の側に勝利を与えると、自信を持って言いました。
ゴリアトは身構え、ダビデに近づいて来ました。ダビデも急ぎ、ゴリアトに立ち向かうため戦いの場に走りました。ダビデは袋に手を入れて小石を取り出すと、石投げ紐を使って飛ばし、ゴリアトの額を撃ちました。石はゴリアトの額に食い込み、彼はうつ伏せに倒れました。ダビデは石投げ紐と石一つでこのゴリアトに勝ち、彼を撃ち殺しました。ダビデの手には剣もありませんでした。ダビデは走り寄って、ゴリアトの上にまたがると、ゴリアトの剣を取り、さやから引き抜いてとどめを刺し、首を切り落としました。
ペリシテ軍は、自分たちの勇士が殺されたのを見て、逃げ出しました。イスラエル軍はペリシテ軍を追撃し完全に勝利しました。

谷一つを間に置いて、戦闘するダビデとゴリアトの外面的な条件だけをみると、サウルが言ったように少年ダビデは、巨人ゴリアトの戦い相手にはふさわしくありませんでした。にもかかわらず、ダビデは予想を覆して、ゴリアトを倒しました。その結果、イスラエル軍はペリシテ軍を撃退することができ、ダビデはイスラエルの英雄となりました。ダビデがとても倒すことができないように見える巨人ゴリアトにどのようにして勝ったのでしょうか。

イスラエルの戦いは、常に主ご自身の戦いでありました。そのため、戦いの勝利は、兵士や軍隊の数にかかっているものではありませんでした。少年ダビデは、主に絶対的な信頼をおいており、このことをよく知っていました。神が共にして下さるイスラエル軍がペリシテ軍に必ず勝利する確信がありました。彼は人間の目に見える外的な条件に左右されず、堂々として、ゴリアトを獣の子どものように思い、恐れる対象としませんでした。ダビデの勇気ある態度は衝動的、即興的なものではなく、平凡に繰り返される羊飼いの仕事をしながら彼が神様を頼りながら対処した多くの体験を通じて得た確信から出たものでした。ダビデは主に対する信仰と従順のゆえにゴリアトに勝利することができました。

現代の私たちの生活でも巨人ゴリアトのような自分の前に立ちはだかる大きな問題や壁がたくさんありますが、主が私たちと共に戦って下さることへの信仰があれば打ち勝つことができることを示しています。

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