解説
聖書の時代には、農夫は、苦労して畑に種をまきました。
フランスの画家ミレー(1815-1875)は、農民生活を主題とした清純で敬虔な作品を多く残していることで知られています。彼はよく聖書の中に出てくる話を題材にして作品を作りました。例えば、旧約聖書に出てくる心やさしい女性を描いた名作『落ち穂拾い』や、『晩鐘』、『羊飼いの少女』など数々の名作があります。そんな彼の作品の一つに『種を蒔く人』(sower)があります。
「種を蒔く人」は英語で”sower”と表現されます。聖書に出てくる”sower”とは誰のことでしょうか。マタイによる福音書13章には種を蒔く人のたとえ話が出てきます。
イエスはたとえを用いて彼らに多くのことを語られた。『種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は、石だらけで土の少ないところに落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びでそれをふさいでしまった。ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。耳のあるものは聞きなさい。』
種は神様の御言葉、つまり聖書です。たとえ心に蒔かれる時は小さくても、良い心畑に落ちた種は芽生え、育って実を結び、30倍、60倍、また100倍にも実を結ばれることが聖書に約束されています。
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